体験レポート
令和2年2月2日(日)午前10時~12時開催
川越の伝統野菜「西町大根」の収穫体験と漬け物づくり体験
川越の伝統野菜に「西町大根」があります!
川越駅周辺はかつて「西町」と呼ばれ、大根の産地として有名でした。その地域で育成された品種が「西町大根」。大正時代末期~昭和30年ごろまでさかんに栽培されていましたが、残念ながらその後は生産が減ってしまい、今では西町大根を知っている人は非常に少なくなりました。そこで、本イベントでは、参加者の方に自分で収穫から調理・試食までしてもらうことにより、西町大根の魅力を五感を使って味わってもらいました。
当日のながれ ~ 収穫・調理・試食で西町大根を徹底賞味!
今回の西町大根は一般的な「F1品種」(※)の青首大根とは異なり、昔ながらでタネを採れる「固定種」(※)の白首大根です。また、ほどよい繊維質のため漬け物にも煮物にも向きます。
西町大根の特徴を事務局より説明した後、畑に移動して西町大根の収穫体験を行いました。
その後、加工準備室にて漬け物づくりなどの調理体験を行いました。調理体験は女子栄養大学講師でミツエ・クッキングガーデンの倉持光江先生に教わり、最初に生で、次にふろふき大根風に煮て、最後に持ち帰り用の漬け物づくり、と3種類を調理しました。
西町大根は下の方が太い「尻太り」の形のため、一般的な青首大根と比べて抜くのが大変です。押したり引いたりしながら、楽しく収穫しました!
収穫したばかりの大根を洗って切り、まず生で試食。参加者からは「甘い!」という驚きの声が聞こえました。ふろふき大根風の煮大根づくりでは、水から煮た大根に田楽みそと白ごまをかけて、あつあつのうちに食べました。
漬け物づくりは、倉持先生のレシピで甘辛味の「あちゃら漬け」を作って持ち帰りました。
調理体験は倉持先生が参加者のテーブルを回って丁寧にわかりやすく教えてくださいました。調理の合間には、倉持先生から大根の保存方法や調理のコツなどのお話もあり、わきあいあいとした雰囲気で、体験を楽しんでくださったようすでした。
体験を終えて
大根は日本の食事には馴染み深い野菜の一つですが、普段はあまり体験しない、畑で収穫するところから調理して食べるまでを体験していただき、楽しく学んでいただけた参加者も多いと思います。
いつも食べている大根とはちょっと異なる昔ながらの西町大根。西町大根は大きくなるし味もよいので、今後もタネを採って栽培を続けていく予定です。また、今後は他の川越の伝統野菜の農業体験も開催する予定ですので、是非ご参加ください。
※「F1品種」「固定種」とは…一般的な大根は「F1品種」と呼ばれ、できたタネをまいても同じ大根はとれず、1世代限りの種です。一方、西町大根は、昔から代々受け継がれ、形質(味や形)が固定された「固定種」です。同じ形質を持ち、環境に適応したタネをとり続けることができます。